震災以降の出版業界

2011年、311日に起こった東日本大震災は被災地だけではなく、全国にも多大な影響を与えた。出版業界においても、インキや紙など印刷原材料の不足や電力供給の不安に見舞われるとともに、経済活動の低迷による印刷需要が落ち込んだ。これをきっかけに、デジタル化の進展が加速した。それまでのオフセット印刷と違い、印画紙や製版フィルム、CTPを必要としない印刷方法が可能になった。このことで、高速化とコスト削減が実現した。さらに必要なときに必要なぶんだけ印刷できるというオンデマンド印刷も確立した。このことで納期も大幅に短縮される。専務用印刷、ビジネスフォーム(データプリント)、バイアブル印刷、大判印刷、大判プリント、ブックオンデマンド、フォトアルバムなど、デジタル印刷で比率が高くなった。これまで有版印刷に比率が高かったチラシなどの商業印刷や出版印刷、シールやラベル、パッケージといったオフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷でもデジタル印刷へ転換する割合が増えた。今では、デジタル印刷と有版印刷を組み合わせたハイブリッド印刷が登場した。これによって新たな需要を掘り起すビジネスモデルが登場した。

ここ最近の出版業界の規模の推移を確認すると出版業界の大きな現状や動向がわかります。平成27-28年の出版業界の業界規模は1兆1,112億円です。ここ最近の特徴として11年連続で出版販売額が減少しています。 ネット、スマホの普及が影響していると思われます。書籍・雑誌の販売高は平成8年をピークに減少しています。平成27年の出版販売金額は1兆6,722億円と11年連続で減少しているようです。起業では印刷大手の大日本印刷と凸版印刷の印刷大手2強が書店、出版へと勢力を拡大しています。こうした動向を受け、出版業界は再編へと動き出しています。また、大きな動きとしてKADOKAWAがドワンゴと経営統合しました。既存出版物が落ち込みを見せる中、ベネッセ、ぴあ、KADOKAWA、ゼンリンなど出版物事業以外に強みを持つ企業の業績は良好の様です。ベネッセは通信教育で成功しています。ぴあは情報・チケット販売を、ゼンリンはカーナビなど地図データベースで成功しています。インターネットの普及により既存出版物の売上の減少は続くものと予想され、出版業界に大きな変化が押し寄せています。